高さ制限無視は不当・危険そのもの 新基地建設を阻む6つの壁-その1

2018年7月12日

 辺野古新基地を巡っては、政治的な課題を別にしても、国などの推進派には「6つの障壁(①高さ制限②軟弱地盤③ジュゴン訴訟④サンゴ等希少生物保護⑤外来種対策⑥活断層」があると言われている。今回はその一つである「高さ制限問題」を紹介する。沖縄では、米軍とその地位協定が、法や憲法より優先している事及び「初めに辺野古ありき」の為に不当・危険な行為が日米当局によって積み重ねられているかを示す典型的な事例だからである。
 日本の航空法では空港周辺の建物や山の高さを制限している。飛行機の離着陸時に高い建物があっては危険だからだ。その高さは標高(海面からの高さ)45メートル。新基地の滑走路予定地の海抜は約8.8メートルなので、45+8.8=53.8メートルを超す建物はあってはいけないことになる。しかし、後述するとおり、予定地周辺には学校など、高さ制限を超える多くの建物が存在する。いつもながら米軍には日本の法律は適用されないので「違法」ではないが、危険極まりないことに変わりはない。
 なおかつ、新基地予定地周辺の高さは、当の米国防総省策定の基準にさえ違反している事が沖縄タイムスの報道で暴露されたのである。基準による高さ制限は標高45.72メートル。同様の計算で54・52メートル超の建物が高さ制限を受けるはずだった。久辺小中学校、国立高専、郵便局等、沖縄電力の送電鉄塔等の公共建築物、民家67戸、マンション4棟が該当する。ところが政府は米軍と協議し、沖電の鉄塔以外の全ての建物を「例外」、つまり基準を当てはめなくても良いとしてしまった。しかも沖電とは移転を交渉する一方で、報道されるまでは、地元自治体を含め住民には一切この事実を隠していたのである。何重にも不当な対応というほかはない。
 名護市議会は高さ制限に関する意見書を沖縄防衛局に提出し「調査の実施と辺野古区民への説明会の開催」を求めている。先日の2千人集会のアピールにも取り上げられる等、「高さ制限無視」に対する怒りは高まりつつある。
 政府がこんなにも不当・危険な「高さ制限無視」を余儀なくせざるを得なかったのは、「辺野古ありき」で強引に新基地予定地を選定したからである。そもそも飛行場に不適な土地に「児童生徒と住民の命と財産をないがしろにする(集会アピールより)」新基地建設を強行しようとしているのだ。(魁)

沖縄だよりNo.64(PDF)

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