翁長知事「承認撤回」をバネに闘いは新局面へ

2018年7月26日

7月27日、翁長県知事は「前知事の埋め立て承認を撤回する」と、表明した。「撤回」の主な理由は以下の通り。➀軟弱地盤や活断層問題も無視する等、事前協議が調っていない➁サンゴ等の環境保全で提出した計画と異なる工事を進めている➂新基地予定地には米国の高さ制限の基準を超えた建物が多く存在する④那覇空港の米軍使用等が「普天間返還」の条件として追加されており「普天間返還のため」という新基地建設の理由が成り立っていない。
 沖縄現地では、知事の「撤回」をこぞって歓迎している。と同時にこの「撤回」にも拘わらず、防衛局が土砂投入を強行することを警戒。8月17日に予定される土砂投入を、県当局とも協同しつつ、現地へのかってない結集で阻止すべく取り組みを強めている。取り組みの目標は、8月11日の県民集会を3万人規模で成功させること、そして同月6日~10日、16日~18日の二波にわたるゲート前連続集中行動に連日数百人の結集を勝ち取り、土砂運搬車の搬入を阻むことである。
 辺野古新基地建設が「普天間飛行場返還の代替施設」と称して合意・計画されてすでに22年もの歳月が経った。この間新基地反対闘争は、①現地闘争②対行政闘争・選挙戦、③法廷闘争の三分野で闘われてきた。この中で最も苦戦を強いられてきたのが③であろう。「埋め立て承認取り消し訴訟」で最高裁は政府側の言い分をほぼ丸呑みにして県側の主張を一蹴した。現場での相次ぐ不当弾圧(この3年間で60人以上!)でも裁判所は一度たりとも政府に逆らう判決を出していない。「沖縄は司法とも闘っている」と言われる所以である。今回の「撤回」ついても、政府・防衛局は再び「執行停止」や「代執行訴訟」で対抗してくるだろう。「権力の下僕」に成り果てている今の司法には一片の期待も持てない。だが、前回のように、政府や防衛局が「私人」として県を訴えるという異様な手続きを再度繰り返すと、より広範な批判が集中するのは必至だ。それをあえて犯すとすれば、結果は別としても、政府と司法の人権感覚が国際的にも問われることになろう。なお、国内では苦戦を強いられている沖縄は、国際連合に新たな闘いの活路を見い出した。沖縄人への差別を顧みない日米政府は人権意識のなさで国際的な批判を浴びつつある。
 毀誉褒貶が激しかったのが②である。自民のホープであった翁長氏の「造反」により、自民から共産までの「辺野古基地を造らせないオール沖縄会議」が結成され、県政を奪還。反オスプレイ集会には沖縄全自治体の首長の賛同を勝ち取り、直後の総選挙では自民候補が選挙区で全員が落選した、という輝かしい奮闘はまだ記憶に新しい。しかし、その後の選挙戦では後述するとおり、政府の巻き返しにあって、いまや市では容認派市長が9市(反対派2市)、市町村でも約半数の首長が容認派だ。先日も新基地建設の地元名護市ので容認派に敗北した。選挙戦でのオール沖縄派の後退の原因は①公明の寝返り②利益誘導③争点隠しであるという。しかしこの時期に「撤回」すればさすがに③は出来ないだろう、というのがオール沖縄側の見方だ。確かに沖縄のほとんどの自治体が9月9日に統一地方選挙を迎え、以降沖縄は選挙戦の季節に突入する。だから防衛局も悪影響を恐れて土砂投入をしゃにむに急いでいるのである。争点隠しを許さず統一地方選に勝利し、11月の県知事選をも、というオール沖縄会議の反転攻勢を共に担っていこう!県民投票も実現に向け前進している。沖縄の民意を再度、真正面から問う試みだ。
 最後に、基軸としての現場闘争は、防衛局、県警、海保のあらゆる妨害にも挫けることなく闘い続けており、例えば「土砂全協」のように闘いを通じて連帯の輪を県内外に着実に拡げつつある。全国の仲間も猛暑や災害でご苦労されている中ではあるが、あえて言いたい。「最も熱い」この夏の沖縄へ結集と連帯を!と。〈魁〉

沖縄だよりNo.66(PDF)

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