沖縄県民葬その1 翁長雄志前県知事 さようなら

2018年10月11日

8月8日に急逝された翁長雄志前沖縄県知事の県民葬が10月9日午後2時から、那覇市県立武道館でとりおこなわれ、新しく知事に就任した玉城デニー県知事、奥様の翁長樹子さんなど3000人が参加しました。
今日の本号では、2014年11月の翁長県政誕生から、辺野古新基地建設をあらゆる手段で止めることを県政の中心において政治姿勢を貫き、命をかけて闘った姿と、もうひとつの課題である「沖縄を一つにする」さまざまな闘いを振り返りながら、翁長雄志さんに哀悼と敬意を表したいと思います。
安倍政権との対決
 新しく知事に就任すると、どこの県知事も政権首脳陣にあいさつを行うことが恒例になっています。ところが、翁長知事の場合は、安倍晋三首相や菅義偉官房長官との面会は4か月間も拒否される前代未聞の扱いを受けました。144万沖縄県民をないがしろにする、あきれた仕打ちに県民の怒りが沸騰することになりました。
 仲井眞元県知事が辺野古の埋立を承認したのち、沖縄関係予算は3501億円(2014年度)で決定し、当時の仲井眞県知事は「これでいい正月が迎えられる」と喜び、はしゃいでいたことが思い出されます。この予算額は翁長県知事が誕生すると、約500億円減額するといった露骨ないじめが始まりました。この減額は玉城デニー知事になった現在も引き継がれ、政権側が「金」で沖縄県民を縛りあげようとする姿勢に変わりはありません。辺野古に基地を建設する方針に従わないのであれば、翁長さんが亡くなることになろうとも続ける政権側の執念深さがあります。
 こうした差別は山口県の岩国市、沖縄県名護市でも行われ、そのために基地再編交付金や官房機密費が公然と使われている異様な政治となっています。1996年普天間基地の移設は「辺野古が唯一」と決めつけられてから22年間も続いているのです。
 政権側の犯罪ともいえる金の使用はさらにエスカレートしています。今年の2月の名護市長選挙では、現職の稲嶺進市長を追い落とすために、基地建設地に最も近い久志、豊原、辺野古区の住民3000人以上を取り込むために、地方自治法を無視し、名護市の頭越しに数億円の「再編交付金」を政権側はバラまきました。そしてごっそりと有権者の票をからみとっていく暴挙を行いました。このバラマキの張本人は、いうまでもなく菅官房長官です。
 そして、今回の沖縄県知事選では、安倍政権対沖縄県民という対立が作り出されました。新基地建設に反対する玉城デニーさんを何が何でも落とすために、官房機密費をたっぷりと懐にしのばせ、菅官房長官は3度も沖縄入りし県知事選挙の陣頭指揮をとってきました。あたかも沖縄に安倍自公政権が、そのまま引っ越してきたようでした。
 菅官房長官をはじめ、公明党の委員長、創価学会の会長、小泉進次郎、産業・経済界に圧力をかけに来た国会議員、なぜか東京都知事の小池百合子まででしゃばってきており、安倍政権に乗っ取られた知事選になっていました。
 しかし結果は、玉城デニーさんが8万票の大差で勝利。戦後73年間、米国の圧政や自公政権による地方自治権の介入、常に権力の抑圧されていることから解放を求める県民の勝利と言ってもいいでしょう。
 10月9日の県民葬で、政府を代表して菅官房長官が弔辞を読みましたが、いつもの調子の「基地の負担軽減を県民によりそって全力をつくす」と述べるや、会場のあちらこちらから「うそつき」「帰れ」などの怒号や罵声が菅官房長官に浴びせられました。これまで権力をかさに着て、県民を愚弄してきたのですから、その怒りの声が出たのはもっともなことと思います。

沖縄だよりNo.70(PDF)

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